母を訪ねて1530km

　1週間ほど予約が空白になったので、九州に住む母を訪ねることにした。
　80代後半ゆえ、コロナに感染させるわけには行かないが、もう10年も会っていない。
　リスクを軽減するために、一人で車で行き、話をして、墓参りをしたらすぐに帰るというプランを立てた。

　60を目前に、自分でも、好奇心というか、積極性というか、そういったものが小さくなってきたと感じている。
　コロナの感染拡大は、そうした傾向に拍車をかけているように思う。
　そんな自分に、活を入れるという意味合いもあった。

　朝5時半出発、新4国を南下し、五霞インターから圏央道に乗る。
　遠いと思っていたが、学生時代を過ごした八王子や相模原は2時間ほどで到着した。
　SAのTVで、有名な若い女優さんが亡くなったというニュースが流れ、驚いた。
　名古屋でみそカツ丼とミニきしめん、広島県で尾道ラーメンを食べ、北九州市に一泊した。
　Go To　トラベルのおかげで、35％引きで宿泊できた。

　翌朝、北九州を出発する前に母に電話したら、驚いていた。
　正午ごろ自宅に着き、母といろいろ話をした。
　車で高校時代まで過ごした街をドライブしたが、小さく感じた。

　帰りは、行きとできるだけルートを変えて走ろうと考え、山陽道ではなく、中国道にしたのが運の尽きだった。
　工事中による対面通行が多く、山中ゆえGSはやたら少なく、ガス欠にならないか冷や冷やした。
　宮本武蔵の出身地で有名な岡山県美作では、警察官に停止を求められた。
　速度違反かと緊張したが、事故のため、通行止めになったという。

　のべ約3000km、23の都府県を通り、6回給油し、47時間かけて往復した。
　新幹線ならエコだし、飛行機なら時短だが、母が思いのほか喜んでくれたので、よしとしよう。