先日受験相談会に来られたAさんの話は、他にあてはまる方がいるかもしれない、と思って書く。
X社に長年勤めていたAさんは、地元のZ市役所への転職活動を数年前から始めた。X社には全国転勤があることと、X社で昇進したことによって、かえって自分の希望の職種に就けないことが主な理由だった。
X社に在職中、Z市役所の受験では、二次の面接試験で落とされた。それが数回繰り返されると、Aさんは、このままX社にいては、Z市役所が要求する職務経験が満たされないと考えて、Y社に転職した。
Y社に転職した翌年、Z市役所を受験したが、今度は一次試験で不合格になった。
Aさんは、何がよくなかったのだろうか?
一つは、Y社に転職してから数カ月しか経過していないことだと思われる。
正社員として転職したら、最低でも1年、できれば3年くらい職務経験を積んでから受験することが望ましい。
UPAでも、就転職後、わずか数か月で受験して、まずい結果になった人達を数多く見てきた。
不合格になる確率が高いのに、そのことを黙ってサポートするのは、気が引ける。というより、本気でサポートする気が起こらない。
よって、UPAでは、短期間で受験することについて、やむを得ない理由がない限り、入会・受講はお断りしている。
もう一つは、X社での働き方だ。
これは、推測にすぎないが、転職活動を熱心にする人は、目の前の仕事を手を抜く、あるいは、淡々とこなすだけになることが多い。
もし、転職活動をせず、X社で抜群の成績を残せば、かえって合格しやすいだろうに、と思う。
面接で不合格になったら、転職先が求めるような人材になるまで、仕事に専念し、結果を残すべきだ。
それが難しいなら、高度な資格を取得するなど、自己研鑽に励むべきであろう。
落とし穴を回避するには、「急がば回れ」である。
2025.07.21
2025.07.20
2025.07.04
栃木市役所で、公務員経験者を採用する試験の案内が発表された。
30年ほど、栃木県内の公務員試験の受験サポートに携わってきたが、初めてである。
そう言えば、今年になって、埼玉県内の市役所でも、公務員経験者は教養試験を免除するという試験案内を見た。
確かに、介護などで退職した優秀な人を再雇用するには、よい方法かもしれない。
これまでは、栃木県内では、A市職員からB市職員への転職というのは、数が少なく、ハードルが高かった。
社会人採用でも、民間企業で職務経験を積んできた人の方が圧倒的に有利だった。
人口減少時代に、あの手この手で、自分の自治体に人口を引っ張ってこようとする時代である。
それをやっても、悲しいことに、日本全体では、人口は移動するだけで総数は増えないのだが、競争に勝たないと、自治体自体が消滅の危機に立つことになる。 やむを得ない。
栃木市役所の公務員経験者募集は、人手不足、人材不足を象徴する出来事になるのだろうか。
2025.05.03
栃木県庁早期枠の論文試験対策講座が始まった。
Aさんが、過去の課題から2本書いてきた。
苦手と言ってたわりに、それなりにうまい。
聞くと、AIで、秒で書いたのだという。
AIで書いたものでも、物足りない部分もあれば、課題の文とずれている部分もある。
まずは、それを自分で直すように、アドバイスした。
その次は、AIが書いた文の構成や内容を自分のものにするステップに進めばよいのだろうか?
論文の指南本には、いくつかの模範答案が書いてあるが、それを読んでも、うまくならない。
AIがかいた文章も、それと似ている。
人間が自分で書いた文なら、癖があるので、添削しやすい。
AIで書いてきた文章を利用して、論文がうまくなる方法を考案するしかない。
2025.04.28
2021年3月に大学を卒業し、新規就職した人が、2024年3月までに離職した割合は、35%である。
辞めるのは、自由だ。ただし、不利益も引き受ける覚悟も必要だ。
生命や健康が害されるようなら、即刻辞めた方が正解だろう。
安易に辞めると、転職活動の面接で理由を聞かれる。
公務員の採用面接でも100%聞かれる。
辞めると、辞めないで受験した人より、やや不利になると考えた方がよい。
公務員に転職する場合、最近の筆記試験は、SPIだの、SCOAだの、易しい試験が増えているので、「試験準備のために辞めました」という理由がやや不自然になってきている。
辞める前に、筆記試験の内容を確認しておいた方がよい。
辞める時期も、よく考えるべきだ。
できれば、年度末の3月末に退職するのが望ましい。
それ以外の時期だと、さらに特別な理由を用意した方がよい。
公務員への転職を理由に辞めるのなら、準備期間も頭に入れておかなければならない。
3月末に辞めた場合、そこからがんばれば、市役所は間に合うが、専門試験のある6月の県庁の試験は時間的に厳しい。
公務員に1年目に合格できなかった場合、無職のまま、再度公務員試験にチャレンジするのはかなり危険である。
特に、面接で不合格になった場合、同じ役所を「手ぶら」で再受験しても、翌年度も不合格になる可能性が高い。
資格取得をアピール材料に加えることもできるが、それは手ぶらよりはましだ、という程度に終わることが多い。
やはり、再就職して、さらに職務経験を積むのがよい。
2025.04.24
2025.04.19
2025.04.17
2025.04.11
2025.03.31